愛たい
教室に着き席に着くと、いきなり人で視界が狭まった。
顔を見上げると、そこには少し悲しそうな結衣が居た。
「おはよ」
と声をかけると少し間を空け、
『…ごめん』
と謝る結衣。
結衣が何に対して謝ってるか、すぐに分かった。
そして出来れば触れないで欲しかった。
『私、無神経だった…。何か、自分でも分からないけど口が勝手に動いてて。私っ、…』
と話をする結衣を遮り一言だけ吐いた。
「俺、もうアイツと別れたから」
その途端、結衣の大きな目が更に見開かれた。
「まあ、気にするな。俺も陸に結衣とのこと色々と聞いてるし」
と意地悪に笑うと結衣も少し微笑みを見せた。
そんな結衣に俺の胸が高鳴る。