愛たい
「俺さ…」
天井から目線を陸に向ける。
そして一言。
「やっぱ結衣が好きだ」
病室に俺の言葉だけが響き渡る。
陸は何も反応しないで俺を見つめ続けている。
「そっか」
と何事も無かったかのように再びシュークリームにかぶりつく陸。
まるで、そんなの全然気にならない。俺と結衣の間にはお前の入る隙は無い、そう示されているようで。
「…何で、何も言わないの…?」
戸惑いながら躊躇しながら言う俺に陸はシュークリームを口一杯に詰め込んだ。
そして飲み込むんで口を開いた。
「止めろ、そう言ったとこで何になる?」
陸の真剣な目に思わず視線を逸らす。
「諦めろ、って言っても諦められないだろお前は」