愛たい

そんな自分にモヤモヤし、陸に相談した。

『なあ、陸。…あのさ、もしも、もしもだよ?』

と言うと陸は冷たい目で、

『何だよ。めんどくさいから早くしろ』

と言いはなった。

『そいつの笑顔見ると胸がきゅってなって、そいつが俺に触れると胸がドキドキして、そいつが俺以外の奴と話すと胸が苦しくなって、そいつが悲しそうにしてると守りたくなるんだ…。これって何て言うか、陸分かるか?』

陸は、俺の顔をじっと見つめて少し上から目線で鼻で笑った。

その意味に気づいたのは、陸の言葉を聞いた後すぐだった。

『間違いないなく、恋だな』

そう言い、陸は俺から立ち去った。

『おい、陸!もしもの話しだからなー!』

そう慌てて言うと陸は俺に向かってクールにひらひら手を振った。

< 21 / 165 >

この作品をシェア

pagetop