愛たい
『陸、またおにぎりだけ?体に良くないよ〜』
そう言う結衣を横目で見て、
「大丈夫だろ」
と適当に流す。
俺は二人を見たくなくてスイカパンを見た。
『駄目!私のメロンパンあげるから!食べてっ』
「いらない。結衣の飯が無くなるだろ」
『あ、うん…。ありがとう…』
嫌でも聞こえる二人の会話。
耳を塞ぎたかった。
だけど、そんなことしたら二人とも不思議に思うから出来なかった。
『あ、ハル!』
さっきまで陸に向けられていた声はいきなり俺へと向けられた。
俺は顔を無理矢理笑顔にし結衣を見る。
『スイカパン、ハルは買えたんだ〜』
と残念そうに言う結衣。
スイカパンが話題でも話しかけてくれたことが嬉しかった。
変なの、俺。
毎日、喋ってるのに…。