愛たい
俺は重い体を起こし教室に向かった。
教室へ入ると、もう生徒がほとんどしか残っていなかった。
その、ほとんどの中に陸が居た。
…陸の顔、みたくなかったのに。
そんなことを考えている俺に陸は容赦なく話しかけた。
「ハル、もう大丈夫なのか?」
優しく声をかける陸に申し訳なく思う。
「おう、もう大丈夫!つか、陸は帰らないのか?」
何て聞いた俺は、やっぱりバカだ。
「ああ、結衣のこと待ってる」
さらりと陸の口から自然に出てきた、
『結衣』
と言う名前。
その言葉は酷く俺を傷つける。
「あ、そっか。委員会?」
動揺するな、俺。
と自分に言い聞かせ自然に振る舞った。
「そ。あ、今日の話ししない?」
一瞬、陸の言ってることが意味分からなかったがハルの顔を見て、すぐ分かった。
「…恋バナ?」
と聞くと陸は、すぐに頷いた。
やっぱり陸は残酷だ。
だけど嫌だ何て言うと怪しまれるから俺は、
「いいよ」
と言い陸の机の前の席の奴の椅子に腰を下ろした。