愛たい
先に口を開いたのは陸だった。
「…何かさ、良く分からないけど俺は気持ちを伝えたほうが良いと思う」
と陸のストレートに俺に向けられた言葉に頭が真っ白になった。
「俺さ、自分に自信無くて」
と淡々と語る陸。
自分に自信が無い?
俺が陸だったら、ナルシストになると思う。
だって陸は完璧としか言いようがない。
だけど陸は陸なりの悩みがあって…。
「俺さ、自分が嫌いで。自分では冷たくしてるつもりには無いのに相手に冷たい奴って思われることがよくあってさ」
と始めて陸が俺に言った悩み。
信用出来るから俺に言ってくれたのに何だか素直に喜べなかった。
「だから、結衣も俺をそんな風に思ってたらどうしようって気持ちを伝える事を拒んでた」
また、さらりと陸の口から出た、
『結衣』
と言う言葉に胸が傷む。