愛たい
俺は猫を抱えながら家の鍵を開けた。
『おかえりなさい』
と玄関に来た母さんは俺が抱き抱えている猫を見てヒステリックに、
『あんた、猫なんか拾ってきて!』
と怒鳴った。
そんな母さんの言葉に猫はビクリと肩を震わせた。
「大丈夫、俺が世話するから」
そう言い風呂場に向かった。
『ニャー、ニャー』
と怯える猫を優しく撫でながら体を綺麗にした。
「トラ!」
そう言うと猫は、
『ニャー』
と、また俺の顔を舐めた。
部屋に入ると机に置いといた携帯がピカピカと光っていた。
携帯を開けると新着メール一件の文字。
どうせメルマガか何かだろう。
そう思い真ん中のボタンを押した。
だけどメールの相手は結衣だった。