愛たい
顔を上げれば目の前には陸。
瞳孔を開いて目を逸らせば俺は直ぐ様、再びベッドに横たわる形になった。
俺は、まだ痛む頭を抑えた。
手には違和感。
ザラザラとしたような。
するとカーテンが勢い良く開き保健の先生が顔を出した。
保健の先生は容赦無く俺の頭を触る。
再び走った激痛に、
「っ、」
と声を漏らせば、
『大袈裟ね〜』
とケラケラ笑う先生。
そして保健の先生は淡々と語り出した。
『頭が切れてるようだけど切り傷みたいなもんだし強く打ったようだけど異常は無いみたいね。あ、包帯は今日中に取れると思うから安心して』
とにっこり笑う先生。
頭に巻かれてるのは包帯だったのか、と今更ながら気づく。