愛たい
急に寂しさを増した教室。
むしゃくしゃしながら紙コップに入った水を飲み干し俺の嫌な気持ちを潰すかのように紙コップをくしゃくしゃに潰した。
何で、俺はこんな奴なんだろう。
こんなに弱いんだろう。
こんなにバカなんだろう。
こんなに傷つきやすいんだろう。
こんなに嘘つきなんだろう。
こんなにも、
結衣が好きで
同じくらい陸が大切で。
どっちか選ぶことなんか出来ない。
それは俺が優柔不断で臆病で怖がりだからだ。
初めて気付いた。
恋をして初めて知った
本当の俺の姿。
醜い自分が嫌になり手の中にあった紙コップをごみ箱に向かって力一杯投げた。