愛たい
どれくらい走ったのだろう。
ふいに足を止めれば、見覚えの無い土手。
静かな川のせせらぎと気持ち良い風。
疲れた俺は近くに腰掛けた。
どくんどくん、
と心臓が脈を打つ。
ぐるぐると、
さっき起きた出来事が俺の頭で繰り返される。
「くっそ!」
と思わず怒鳴り沢山生えてる雑草を無差別に引きちぎり川に向かって投げた。
だけど、それは儚くそして無残に近くにひらひらと枚散った。
「あーーー!」
むしゃくしゃする。
何もかも。
声に出して叫んでも現実は変わらないのに。
ただ、ただ、
叫んだ。
叫ぶことしか出来なかったんだ、
あの頃の俺は。