愛たい
いつもより遅くに学校に行くとすぐに陸に声をかけられた。
「…ハル、大丈夫か?」
陸の口から吐かれた言葉。
ふいに陸の口を見ると、
昨日のことを思い出してしまった。
俺を心配する陸を横目に俺は自分の席へ着いた。
そんな俺達の様子を見てたのか結衣が直ぐ様、俺にかけつけた。
『ハル!何で陸のこと無視するの!?』
結衣の言葉も、
「うるせーな」
と交わした。
結衣の口は見なかった。
もう思い出したくないんだ………。
『ハルの馬鹿!』
そう結衣は俺に暴言を吐き自分の席に着いた。
馬鹿、か。
何て好きな奴から言われた言葉に少し胸を痛めながら冷静を装い鞄に入っていたペンケースを机に移した。