愛たい
そうだよ、結衣。
俺は馬鹿だ。
馬鹿なほど陸が大切で、
馬鹿なほどお前が好きで、
馬鹿なほど傷つくんだ。
もう見たくない。
二人が一緒に居る姿を見たくなくて目を瞑るように屋上に足を運んだ。
9月。
もう秋だと言うのに、残暑のせいか酷く蒸し暑い屋上。
俺は日陰に腰かける。
もう自分の気持ちが分からない。
俺はどうしたいんだ?
友情を取るのか?
恋愛を取るのか?
今までは友情を取ろうとした。
でも諦められなくて。
でもこのままだと結衣も陸も両方失ってしまう、
そんな感じがしてしまう。
でも、どうすれば良いんだよ。
イライラした俺はアスファルトを拳で殴った。
じん、と拳が傷んだ。