愛たい
十二話 止まらない思い
昼休みが終わり教室に入ろうとしたら生徒指導の先生が俺の腕を掴み職員室まで引きずった。
…怒られる。
その覚悟で職員室に入る。
先生と向かい合わせになる形で座れば先生は無言で俺を見つめる。
今回は何かな。
放課後の掃除?
反省文五枚?
長い長い説教?
そんな予想は見事に外れた。
『…何かあったか』
いつも厳しい先生が真剣な目で俺を見つめる。
眉間を寄せてない先生の姿なんか初めてみた。
『最近、午前中全部サボるし、笑わないし。授業中も盛り上がらせないし。何だかお前らしくない』
その先生の鋭い言葉に同様しながらも、
「何もないっすよ」
とへらっと笑って返した。
すると、先生は、
『そうか』
と眉間に皺を寄せて放課後の掃除と言うペナルティを出した。
結局、ペナルティを出された俺は遅れて教室に入った。