愛たい

変わらず真っ直ぐな目で俺を見つめる結衣。

ただ1つ変わった事。

目に涙を溜め、必死で涙を流すのを堪え唇を噛み締める結衣。

『…陸と、っ、仲直りしてっ』

その言葉が発せられた時には結衣の目からは涙が溢れていた。

結衣は、それを必死で拭い、

『お願いっ!』

と俺に訴えかける。


ズルい、お前は。

ズルい………。



俺の体は意思なく感情のままに動いた。

いつの間にか結衣との距離が縮まっていた。

涙で潤む目で俺を見上げる結衣。

…やっぱり、ズルいよ結衣は。


『っ、陸っ』

俺は結衣を壁に押しつけていた。

駄目だ。

そう分かっていても止められないこの体。

今まで我慢してきた気持ちが今、はち切れて暴走した。



俺は顔を結衣に近づけた。

気づいた時には、俺の唇と結衣の唇が重なっていた。


好きだ、結衣…。

心の中で、そう唱えた。

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