愛たい

十三話 崩れかけた友情



俺は、何をしているのだろう。

細い脚を押さえつける俺の脚。

冷たい壁の感触。

俺の唇に重なる柔らかい
もの

頬についた

結衣の涙…………。


静か教室に結衣の泣き声と俺の息を吐く音が漏れる。



俺は、馬鹿だ。

馬鹿なことをしている、

そう気づくのは遅くはなかった。

ただ結衣から体を離さない俺が居た。

『んっ、…は、るっ』

泣き声と一緒に発せられる結衣の苦しそうで甘い声。

その声が俺の理性を狂わせる。

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