愛たい
十五話 心地良い温もり
重い足を動かして必死に走る俺が自然に向かったのは、いつもの場所。
………屋上。
なんだかんだ言って、この屋上には俺がこの高校に入学してから助かってる。
結衣と陸が付き合った時
結衣と陸の姿に胸が痛んだ時
結衣と陸がキスしてるところを見た時
そして、今。
屋上に来る時は、毎回辛いことばかりだけど屋上から見える景色が俺の心を癒す。
無限に広がる空の中に俺のこの汚い気持ちも溶け込んで、どこか遠い所まで運んで欲しい。
ついでに結衣を好きと言う気持ちも………。