愛たい

目を閉じた俺の目に結衣の顔が浮かぶ。

楽しい時の顔
嬉しい時の顔
悲しい時の顔
怒った時の顔

陸と一緒の時の顔…

俺にキスをされた時の顔………。

嫌なのに。
今は結衣の顔を思い出したくないのに脳裏について剥がれない。

こんなにも好きなのに、
俺は最低なことをした。

結衣を傷つけた。

1つ涙が頬に滴る。


1つ涙が落ちたのを境に俺の中で何かが切れたように目から涙が溢れる。

止めようと思っても止まらない。

後悔ばかりの恋だけど、やっぱり俺にとっては大切で。

「っ、…あっ、」

溢れる涙と共に嗚咽が漏れる。


誰か………。

俺をこの悲しみから救いだして……。


途端、小さいけどもしっかりと足跡が聞こえた。


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