愛たい

そんな佐藤の頭の上にポンッと手を乗っけると佐藤は子犬のように少し肩を震わせた。

「別に怒らないし。てか同級生なんだしタメ口で良くね?」

と言うと佐藤は、また小さく頷いた。


また沈黙。

佐藤も正直に言ったんだし俺も正直に聞かなきゃと思い佐藤に聞いた。

「何で、俺を抱き締めたの?」

そう聞くと佐藤は、みるみるうちに真っ赤になり元々下向きだった顔を更に下向きに向けた。

横髪で佐藤の真っ赤な顔は見事に隠されて俺からは見えなかった。

恥ずかしそうに両手で顔を覆った佐藤は躊躇いながらも、

『ハル君が泣いてたから…』

と答えた。

「佐藤は泣いてる人が居たら誰でも抱きつくの?」

とからかいながら言うと佐藤は、

『ち、違いますっ!』

と慌てて否定をする。

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