彼女の言い訳。

〇また、ドキドキ〇



――…カランカラン

すごく
綺麗な音を出す、ベル。

ココだけ
別世界みたいな落ち着きがある


…まるで、
ココが私の場所、
とでも言うような、懐かしい雰囲気を醸<カモ>し出してる…



『…どうした?』

自分の世界に入っていた私を変に思ったのか
豊夏は
私に覗きこむ

―…ドキン

また、だ。



顔が赤くなるのを感じて、

下を向きながら、

「何でもない」って言う。



はぁ、
自分がおかしい…


こんなにも、
ドキドキしてる…




『あ、兄貴!』


『よう!来たのか!…って彼女??!』


豊夏のお兄さんらしき人がこっちに近づいて来た。


私の顔をジロジロ見るなり、
『へぇ~、結構可愛いじゃん。』

って言った。



…ってか

私、
豊夏の彼女じゃなぁぁい!!!!


豊夏めっ!否定してよ!



私の視線に気づいたのか

豊夏は
『こいつ、まだ彼女じゃねぇよ!』



『まじ?
じゃあ俺狙っちゃっても…いい?』



『…ダメに決まってるだろ、兄貴。


こいつ、俺が初めて惚れた女だから』



…はぁ?

今、重要な単語をサラリと…


何それ!何それ…!?


豊夏が?!

私に?!

惚れた?!


いやいやいや…

何かの聞き間違えでしょ。


『な~んだ残念。

じゃあ6番テーブル座って!!

席、分かるな?』


『ん、わかった♪


付いておいで。』


豊夏が私に言った。

…ドキドキしてる私。






< 7 / 12 >

この作品をシェア

pagetop