彼女の言い訳。
〇また、ドキドキ〇
――…カランカラン
すごく
綺麗な音を出す、ベル。
ココだけ
別世界みたいな落ち着きがある
…まるで、
ココが私の場所、
とでも言うような、懐かしい雰囲気を醸<カモ>し出してる…
『…どうした?』
自分の世界に入っていた私を変に思ったのか
豊夏は
私に覗きこむ
―…ドキン
また、だ。
顔が赤くなるのを感じて、
下を向きながら、
「何でもない」って言う。
はぁ、
自分がおかしい…
こんなにも、
ドキドキしてる…
『あ、兄貴!』
『よう!来たのか!…って彼女??!』
豊夏のお兄さんらしき人がこっちに近づいて来た。
私の顔をジロジロ見るなり、
『へぇ~、結構可愛いじゃん。』
って言った。
…ってか
私、
豊夏の彼女じゃなぁぁい!!!!
豊夏めっ!否定してよ!
私の視線に気づいたのか
豊夏は
『こいつ、まだ彼女じゃねぇよ!』
『まじ?
じゃあ俺狙っちゃっても…いい?』
『…ダメに決まってるだろ、兄貴。
こいつ、俺が初めて惚れた女だから』
…はぁ?
今、重要な単語をサラリと…
何それ!何それ…!?
豊夏が?!
私に?!
惚れた?!
いやいやいや…
何かの聞き間違えでしょ。
『な~んだ残念。
じゃあ6番テーブル座って!!
席、分かるな?』
『ん、わかった♪
付いておいで。』
豊夏が私に言った。
…ドキドキしてる私。