シーラカンスの唄
私の言葉に対して、何か凄く言いたげな顔。
「……何よ?」
「もっとニュース見てください。」
「…失礼ね……。」
「事実です。」
「………。」
ホントに可愛くない…。
カレは大学でカンラン岩の研究をしていて。
よく教授にくっついては海外へ行ったり、色んな海で船の上にいた。
研究しているだけあって、鉱物に詳しく、石の事になると熱く語り出す¨石オタク¨。
だけど、私も石が好きだったから、話を聴いているのは楽しかった。
「で、しんかい6500ってどんなの?」
「…ホントに知らないんだ…。」
「そう言ってるじゃない。」
「………はぁ。」
「……解りやすく溜息つかないでよ。」
「…溜息くらいつかせて下さい。えーっと…凄く簡単に説明すると、かなり深い海に潜れる潜水艦です。」
「ふうん?それが?」
「………。」
「ただの潜水艦でしょ?」
「……これだから知らない人は…。普通、一般の人はそれに乗れないんですよ。」
「そうなの?へぇー。」
「……もういいです。」
そして、カレはまた解りやすく溜息をついた。