私は塾の先生に恋をした。
「よ−、小崎、今日も暑いな」
「も−…、暑すぎだよ」
まっすぐの田んぼ道の途中にある塾に入った。
入口には塾の講師が何人か出て来ていた。
塾の講師は塾長以外全員大学生。
しかも、(ほぼ)全員イケメン。
さっき話しかけてきたのは、有名T大の大学院生、赤坂(あだ名はアカ)。
多分、この塾で1番イケメンかも。
少しワックスでいじった黒髪、細身で長身。
塾長からの信用もある。
「小崎、顔真っ赤、やけたんじゃねえの」
そう言って、私の長めの髪をくしゃくしゃと撫でる。
「一応、私も女の子なんだからさあ…、髪ぐしゃぐしゃにすんなよぉ…」