私は塾の先生に恋をした。
バン!!!!!
「お〜、小崎」
「塾長おぉ!!!」
事務室のドアを勢いよく開け、目の前で呑気に麦茶を飲む(おそらく)クラス分けをした本人の名を叫ぶ。
「Zクラスって何!!!!?」
「お前、夏休み中勉強してないだろ」
ギクッ
「お前の成績、あのままいけば確実に桜井女子受かったよ」
桜井女子とは、この辺じゃ有名な進学高で桜女と呼ばれている。
「でも夏休み、勉強してないんだとしたら、やべぇぞ、ってことで、Zクラスを設立しました〜」
「え!!!そんなに悪かったの私!!?」
「…おう」
うわ…本気だ…。
「生徒数1人って…どーよ」
「担当はずっと佐々木だから」
「え、さーちゃん?」
さーちゃんが担当になるなんて初めて…。