『若恋』短編集1【完】
「奏さんが選んだのは地味!」
プールに行くんだよ?
スタイル抜群の育子と差がありすぎたら惨めだよ。
ちょっとくらい可愛くしなきゃ。
「りおさんは十分に可愛いですよ。とにかく、これはと思うものを着てみましょう。それで一番似合うのを選びましょう」
「………」
奏さんは面白くなさそうに横を向いたけど、わたしはウキウキで水着探しを始めた。
ピンクチェックのワンピースタイプと、グリーンの椰子の絵柄のワンピースと、オレンジチェックのビキニの3つを選んでみた。
「試着をどうぞ」
「はーい」
オレンジチェックのビキニを着て奏さんと榊さんの前に立つと奏さんが顔を紅くした。
「これ着るのか?」
「可愛いですけど、あまり派手かもしれませんね」
「そう?じゃ、グリーン着てみるね」