『若恋』短編集1【完】
「水着になる場所っていうのは、ああいう人が多くて危険なんですよ。スタジオで一枚撮りたいので一緒に来てくださいなんて言われて着いていけば、そこにいた男たちに強姦されそれを撮影されてオシマイなんです」
意外に騙されてついていく女の子が多いんですよ。
榊さんがそっと小さな声で言った。
「ああいうのが、りおを狙ってくるからな。心配なんだ」
「…奏さん」
奏さんが仁さんが連れていく男を睨んでる。
小さくなる姿を苦々しげに見てる。
奏さんが助けてくれたんだ。
わたしが悪戯に写真撮られるのを阻止してくれた。
「ああいうのには引っ掛からないようにな」
奏さんは偽物カメラマンの姿がなくなると、育子にもそう声をかけた。
「わたしも気をつけます」
育子が奏さんと榊さんに笑顔で答えた。