again ~あなたと再び歩みを進めるために~



それから数分後。

静かな病院の廊下に足音が響いた。


「あかりちゃん!疾風くん!」


足音の主は美優の両親だった。



「一体何があったの!!」


そう質問されても、私達は直ぐに答えることが出来なかった。


少しの沈黙の後、私は口を開いた。




『車が私に向かって走ってきたんです。』

「車が…でも、あかりちゃんに向かって走ってきたのに何で美優が……。」

「向かってきた車から水瀬を庇ったのがそこにいる竜です。」


私の次に口を開いたのは日比谷だった。

そして、名前を呼ばれた竜は美優の両親に一礼した。



「それで、その竜を庇ったのが美優で…。」

「そうだったの…。」

「はい。」


それ以来、誰も口を開く事はなかった。




< 149 / 191 >

この作品をシェア

pagetop