again
~あなたと再び歩みを進めるために~
それから数分後。
静かな病院の廊下に足音が響いた。
「あかりちゃん!疾風くん!」
足音の主は美優の両親だった。
「一体何があったの!!」
そう質問されても、私達は直ぐに答えることが出来なかった。
少しの沈黙の後、私は口を開いた。
『車が私に向かって走ってきたんです。』
「車が…でも、あかりちゃんに向かって走ってきたのに何で美優が……。」
「向かってきた車から水瀬を庇ったのがそこにいる竜です。」
私の次に口を開いたのは日比谷だった。
そして、名前を呼ばれた竜は美優の両親に一礼した。
「それで、その竜を庇ったのが美優で…。」
「そうだったの…。」
「はい。」
それ以来、誰も口を開く事はなかった。