again
~あなたと再び歩みを進めるために~
『私…やっぱり竜の事が好き…忘れられない…。だから、疾風の気持ちには答えられない…ごめんなさい。こんなに待ってもらったのに…今までずっとそばにいてくれたのに…』
涙が溢れてきて、私は言葉の続きが言えなくなってしまった。
「泣くなよ。分かってたから、お前の気持ちは。」
『えっ…。』
疾風の言葉に私は驚いて涙を拭くのも忘れて疾風を見た。
「お前の気持ちが変わらないことは初めから分かってた。分かっていながら竜と別れたお前に告白して、今までお前の事苦しめて、本当に悪かった。」
『疾風…。』
「竜の所に行けよ、俺の事は気にするな。」
『…。』
「前みたいに戻るだけだ。」
『うん…。ありがとう。』
私は疾風に背を向けて走り出した。