migratory bird
ホント嫌になる。
こんな雨の日は。
さっきまで晴れていたし、
天気予報でも雨が降るなんて言っていなかった。
せっかくアイロンでストレートにした前髪がはねてしまう。
私は仕方なく駅のコンビニで透明のビニール傘を買い、早足で家に帰ろうとした時だった。
「ごめん、入れて!」
私の傘に入って来たのは見知らぬ男だった。
身長はおそらく170代後半。
明るい茶色の髪の毛と
それと同じ色の瞳。
一目見てカッコイイと思った。
「あ、あの…」
「あ、俺、ミナミ。よろしく」
これが私たちの出会いだった。