夢でいてくれたら
そんな自分にレールを敷いてくれた親も一年前に事故で死に、ただ一人の妹も今どこで何をしているかわからない。


今はただのんびりフツーの大学生をしている。



ピピピピピ


「はい」


「よう。また走ってるのか?」


聞き慣れた声が聞こえてくる。


「そうだよ」


適当に受け流すか。


「相変わらずつまらない奴だな。」


「うるさいな…」


「女でも作れよ」


またそれか…


「でないとその美貌ももったいないぞ。」


「大きなお世話だよ」


マルボロに火をつけながら僕は思った。


「(確かに…つまんねぇな…)」


「というわけで悠紀君、合コン来た」


「断る。」


いつも電話がかかって来たらこれだ…


「相変わらず反応早いな…」


「いつも通りだよ」


「わかった。またな」


ピッ


「ふう。」


マルボロを吹かしながら外を眺める。


ビックカメラ横のスクリーンにはまだSkyBlueのPVが流れている。



「ごめん!」


突然サングラスと帽子をかけた女の子が助手席に乗って来た。


「なんだよいきなり」


かなり動揺したが隠した


「お願い……私をどこか遠くへ連れて行って……」



下を向き必死に彼女は涙をこらえてるように見えた。


僕は無言で走らせた。



わけわからないけど。



「あの…君…名前は…?」




ここから、君と翔ける夢が始まったんだよね。




夢のはじまり。
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