誰かの話
『やっと振り向いた。』

「え?」

小さく首を傾げる彼女にまた、トキンと俺は脈打つ。

『君を呼んでいたんだよ。』

「嘘。」

俺を見ずに下を向く彼女。

肩が震えている。

『嘘なはずないよ。俺は、君を呼んだんだ。』

「本当に?…あ、ありがとう。」

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