美形×平凡
「香田先輩は優しいんですね」
いつもの帰り道、僕はつぶやいた
「そんなことねぇよ」
「そんなことないです!僕に優しくしてくれますし、歩幅だって合わしてくれてるじゃないですか」
「うっせ―な」
香田先輩は恥ずかしいみたいで、そっぽを向いていた
なんかかわいい
こんなこと口が裂けても言えないけどね
「あっ、敬語やめようぜ?恋人なんだし」
確かにそうだよね
「はい…あっ、えーと…うん」
急に思い出したかのように言われてうまく反応できなかった
「まぁ、ゆっくり慣れていげばいい」
「ありがと」
香田先輩はこれから行くとこがあるらしく、さっき別れた
最近、香田先輩は優しい
言葉もそうだが、接し方が優しいんだ
僕のおもしろくない話も聞いてくれるし、何よりうざがられてない
僕は、軽い対人恐怖症ということもあって友達がいない