天神学園高等部の奇怪な面々Ⅶ
普通の人間である玲菜も、同じ業を持つアモルも。

ここでは誰もがカレンを蔑視する事なく笑い合える。

それだけに。

「……」

カレンの視線が、体育祭実行委員席に座る実行委員長へと向けられた。

私利私欲の為だけにこの体育祭の場を利用して、混乱を引き起こす彼のやり口が許せない。

…こういった場において、カレンの使う魔法はアンフェアなのは分かっている。

己の身体能力だけで、正々堂々競い合っている生徒達に対し、魔法という超常の力を差し挟むのは、藤原翁風に言えば『粋ではない』。

しかし。

(正義の味方を気取る訳じゃないけれど…)

カレンの瞳に、普段の優しげな光とは違う、人外の妖しい輝きが宿る。

(汚い手段って好きになれないのよね…)

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