天神学園高等部の奇怪な面々Ⅶ
スタートラインに立つ赤組の選手達にも、早くも負けを確信したような表情が浮かぶ。

「……」

見守る赤組生徒達の後方から、カレンはそれを見つめていた。

敢えて後方に下がったのだ。

『目立ちにくい』後方に。

(その方が『仕事』がしやすいからね)

カレンの透き通った水色の瞳に、魔力の輝きが湛えられる。

(実行委員長さん…貴方がいつまでもそういう態度なら、私も好きにやらせてもらうわ)

その魔力を言霊に乗せて。

「翠、弐十壱式、『鼓舞』」

カレンは呪文詠唱を発した。

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