天神学園高等部の奇怪な面々Ⅶ
こっそり赤組の応援席から抜け出したカレンを。

「カレンはんも人が悪いおすなぁ…」

木の幹にもたれ掛かり、腕を組んで。

冬月が待っていた。

「真剣勝負に魔法でチャチャ入れるやなんて、野暮いうもんやないどすか?」

「どうかしらね」

前髪を掻き揚げるカレン。

「私は体力も運動神経もないもの、赤組のみんなの役には立てないわ。でも…」

恥じる事なく、彼女は魅力的な笑顔を見せた。

「『仲間』なら、何かの手助けはしたいじゃない?」

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