天神学園高等部の奇怪な面々Ⅶ
やがて学園内に残っていた生徒達が皆帰宅し、校舎は静寂に包まれる。

…筈だったのだが…。

「あかん…」

呟く声ひとつ。

その声は。

「あっかーーーーーーんっっ!」

絶叫へと変わった。

廊下に佇む幽霊一人。

幽霊にしては悲壮感も湿っぽさも怨念も感じられない。

あるのはただ。

「これ逃がしたら俺全然オイシないやん!」

己が如何にして目立つか、その一点のみ。

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