天神学園高等部の奇怪な面々Ⅶ
しかし。

(フン…)

何とか冷静さを取り戻し、実行委員長は席に座る。

ただの徒競走ならばともかく、これはパン食い競争だ。

どんなに距離を離した所で、吊るされたパンを完食できなければ先に進めない。

第一、パンは約180センチほどの高さにぶら下がっている。

身長150センチという小柄な遡雫では、まずパンの位置に届くかどうか…。

まず最初のパン、こってりカレーパンの位置に辿り着いた遡雫。

彼女はパンを見上げ。

「柿ピー」

親友の名を呼ぶ。

同時に大狼の柿ピーがジャンプ!

ぶら下がったカレーパンを咥えて着地する!

「お利口だねぇ、柿ピーは」

愛くるしい笑顔で柿ピーの頭を撫で、遡雫はパンを受け取った。

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