天神学園高等部の奇怪な面々Ⅶ
溝出は赤組の面々を見渡しながら大口を叩く。

「よぅく聞け人間ども!俺様は日本に住む妖怪どもの頂点に君臨する大妖だ!この国に棲む数多の妖怪を配下に置き、やがてこの国を人間に取って代わって闇の世界の王として成り代わる者だぜぇっ!今のうちに男は媚びて、女は愛想振り撒いときなっ!ヒャッハァッ!」

随分ビッグマウスをぶち上げたものだ。

しかし。

「へぇ…」

アモルが妖艶に口端を引く。

「アタシもこの国に来てしばらく経つけど、アンタみたいな三下がこの国の頂点になってたとは驚きだわぁ…どのくらい強いのかしらぁ?お手合わせしてもらいたいもんねぇ…」

「ぬ?小娘、てめぇはどなた様だっ?ヒャッハッハッハァッ!」

溝出の問いかけに、アモルは髪を掻き揚げる。

「アモルファス・シャドウ…なぁに、アンタに比べれば、ほんの小者の影を操る能力を持ち、影を食う、影が在る限り不死の魔物よ、『溝出様』」

「ヒャ…」

高笑いが止まる溝出。

アモルファス・シャドウと言えば、海を越えたこの国にも名を轟かせる強力な魔物ではないか。

「溝出ぃ…」

加えて背後でも、冬月が不穏な気配を漂わせる。

「あれ程大きな口叩いたらあきまへんて…僕言いましたよなぁ…?」

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