天神学園高等部の奇怪な面々Ⅶ
丹下 龍太郎のアクロバティック騎馬戦
「これはお前のミスだぞ、神埼」
誰もいない校庭の隅。
体育祭実行委員長は玲菜を叱責する。
「何故藤原の爺さんが赤組に加担した事を早くに知らせなかった?お前は何の為の諜報役だ?」
「……」
実行委員長の言葉にも、玲菜の言葉はない。
誤解のないように言えば、こんな三流以下の男に脅えるほど、玲菜は力のない女ではない。
実行委員長の言葉など耳に入らないほどに、玲菜は別の事に気を取られていたのだ。
(藤原翁…そして丹下…あの二人はどんな不利な状況下でも、勝負を諦めていない…たかが体育祭程度に…)
否。
あの二人に…特に龍太郎にとって、『たかが』などと言われる勝負事は何一つとして存在しない。
どんな小さな勝負にも、全力でぶつかる。
幼稚だし大人げないし頭が悪い。
流石スペシャルバカと呼ばれる男だ。
しかし、その馬鹿のひたむきさに玲菜が揺さぶられているのも事実だった。
誰もいない校庭の隅。
体育祭実行委員長は玲菜を叱責する。
「何故藤原の爺さんが赤組に加担した事を早くに知らせなかった?お前は何の為の諜報役だ?」
「……」
実行委員長の言葉にも、玲菜の言葉はない。
誤解のないように言えば、こんな三流以下の男に脅えるほど、玲菜は力のない女ではない。
実行委員長の言葉など耳に入らないほどに、玲菜は別の事に気を取られていたのだ。
(藤原翁…そして丹下…あの二人はどんな不利な状況下でも、勝負を諦めていない…たかが体育祭程度に…)
否。
あの二人に…特に龍太郎にとって、『たかが』などと言われる勝負事は何一つとして存在しない。
どんな小さな勝負にも、全力でぶつかる。
幼稚だし大人げないし頭が悪い。
流石スペシャルバカと呼ばれる男だ。
しかし、その馬鹿のひたむきさに玲菜が揺さぶられているのも事実だった。