天神学園高等部の奇怪な面々Ⅶ
スタートと同時に襲い掛かってくる、白組の騎馬軍団。

向こうは作戦も何もあったものではない。

それはそうだろう。

こういう競技向けの格闘技系運動部の人材を集めたチームなのだ。

数と力で押せば、赤組の貧弱ロバ軍団など容易く壊滅させられる。

恐らくは競技を見ている全ての生徒がそう思っているに違いない。

だから、龍太郎はスペシャルバカなりに考えた。

「よっしゃ、手筈通りに動け!」

龍太郎の指示で、赤組は動き始める。

迫ってくる白組の騎馬から逃れるように移動する赤組の騎馬。

そんな中、龍太郎の騎馬だけが動かないまま、その場に留まる。

「まずはアイツからだ!丹下の騎馬を潰せばもう敵はいねぇ!」

予想通り、微動だにしない龍太郎の騎馬に押し寄せてくる白組騎馬軍団。

「たた、丹下君!」

脅えたように声を上げる、龍太郎の騎馬を組む生徒達。

「まだだ、まだ…もっと引きつけろ」

接近してくる赤組の騎馬を見据え、小さく呟く龍太郎。

そして龍太郎の騎馬と赤組の騎馬の距離が、1メートルほどに迫った瞬間!

< 47 / 208 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop