天神学園高等部の奇怪な面々Ⅶ
「いやいやいやいや!」

不審者は鼻メガネのまま手を横に振る。

「これ外したら、俺の封印されとる力が解き放たれてしまうねん!」

「何だそりゃ!どこのファンタジーだ!」

「この鼻メガネは千年前に世界を救うた勇者がやね…」

「勇者は封印するのに鼻メガネなんて使わん!」

「何言うてんねん!由緒正しい『伝説の鼻メガネ』やぞ?」

「そんな伝説語り継ぐ方が恥ずかしいわ!」

こんな訳の分からない言い訳に付き合っている暇はない。

「いいからこっちに来い!風紀委員室で取り調べてやる!」

無理矢理に連れて行こうとする風紀委員を。

「ナンデヤネンッッ!」

「ぐはあっ!」

不審者は胸元へのツッコミで気絶させる。

「く…しゃあなかったとはいえ…」

不審者は鼻メガネを外し、碧眼のカラーコンタクトをつけた瞳を覗かせた。

「『殺人ツッコミ』を使うた俺を許してや、堪忍やで」

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