天神学園高等部の奇怪な面々Ⅶ
フリルだらけの日傘を畳み、それをエリザベスに渡して。

「お、おいアモル…」

戸惑いさえ見せるエリザベスの前で、アモルは薄く口端を引いた。

「気に入ったわ。その人間臭い仁義や任侠じゃなく、飼い犬の癖に飼い主の手を食い千切ろうっていう発想がね」

…アモルは言った通り人外だ。

裏切り、嫉妬、憎悪、怨恨といった、人間の醜い感情に強い興味と好意を示す。

どす黒い感情こそが人間の本性だと思っている。

だがそんな感情を持ちながらも龍太郎達赤組に与し、玲菜の申し出を受けたのは。

「おいおいアモル…てめぇ人外の癖に…」

そのものズバリを言い当てようとするエリザベスに対し。

「アンタ…」

アモルは肩越しに鋭い視線を向けた。

「滅多な事言うと、腸代わりの綿をぶちまける事になるわよ…?」

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