毎日がカレー曜日2
「グレムリンの…気持ち?」

 いぶかしそう顔が向けられた。

 霊の感情というものを、うまく理解できない顔だ。

 彼らには、霊感がない。

 そのために、生きている人間とは違う彼らが、何故そこにいるかを理解できない。

 だからこそ、物理的な処理できるのだ。

 そんなグレムリンの、物理情報といえば。

 S値は低い。

 自分が存在することに対しての強い力はない、ということ。

 R値は普通。
 少し霊能力のある人なら、気配くらいは感じる程度。

 E値は、ムラっけのある変動型。

 S値が低いことから、うまく捕まえられさえすれば、難しい仕事ではないらしいのだが。

「オレが、この『機械をいじってるだけの、ひきこもりヲタク』の気持ちを理解できると?」

 孝輔なりの、グレムリンに対する解釈なのだろう。

 思わず、笑いがこみ上げるような絶妙さだ。

 サヤが吹き出すより先に、事件がおきた。

「おー、それならお前にしか理解できないな」

 ついに──直樹参戦。

 所長席を離れ、近づいてくるではないか。

「3年前のお前はひどかったなあ……ミユキちゃんだったっけ? エリコちゃんだったっけ」

 メガネをキラキラ光らせながら、美しい思い出をよみがえらせる目になった。
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