毎日がカレー曜日2
「わーわーわー!!!」
突然大きな声を張り上げて、孝輔が兄の言葉をかき消そうとする。
その剣幕に、サヤは驚いて固まってしまった。
ミユキ? エリコ?
どう聞いても女性の名前だ。
「それ以上しゃべったら……色男にしてやるぞ」
直樹の胸倉をつかみ上げ、鬼気迫る雰囲気で脅す弟。
「いやー…もう時効だろう」
しかし、兄の方はまったく動じていない。
孝輔の顔に、暗い影が差す。
「アニキだって、エミさんの時は…」
ぼそり。
地の底から響き渡るような、低い声で呟かれる名前。
一瞬、孝輔の声とは分からなかった。
「あー…いい思い出だな」
目をそらし、直樹は遠い目をする。
どうやら、お互いの触れてはいけない過去を、つつきあっているようだ。
しかも、どちらも女性関係で、悪い結果に終わってしまったのだろう。
きっとこの兄弟は、女性受けはいいに違いない。
「……」
あれ?
いまサヤは──何に引っかかったのだろうか。
突然大きな声を張り上げて、孝輔が兄の言葉をかき消そうとする。
その剣幕に、サヤは驚いて固まってしまった。
ミユキ? エリコ?
どう聞いても女性の名前だ。
「それ以上しゃべったら……色男にしてやるぞ」
直樹の胸倉をつかみ上げ、鬼気迫る雰囲気で脅す弟。
「いやー…もう時効だろう」
しかし、兄の方はまったく動じていない。
孝輔の顔に、暗い影が差す。
「アニキだって、エミさんの時は…」
ぼそり。
地の底から響き渡るような、低い声で呟かれる名前。
一瞬、孝輔の声とは分からなかった。
「あー…いい思い出だな」
目をそらし、直樹は遠い目をする。
どうやら、お互いの触れてはいけない過去を、つつきあっているようだ。
しかも、どちらも女性関係で、悪い結果に終わってしまったのだろう。
きっとこの兄弟は、女性受けはいいに違いない。
「……」
あれ?
いまサヤは──何に引っかかったのだろうか。