毎日がカレー曜日2
フライフィッシング
さっきまでぼんやりしていたのがウソのように、孝輔は動き始めた。
サヤのほうが、そのスピードについていけずに、ほけーっと見ているしか出来ない。
彼は、車から携帯端末を持ち込んでいた。
いつも使う、それじゃない。
別のものだ。
機械に詳しくないサヤでも、色が違えば違うものだと分かる。
孝輔は従業員に何か説明をするや、壁のコンセントを確保した。
あれ?
いつもとは違うことだらけだ。
いつもと違う端末。
いつもと違う有線状態。
小型端末なら、普通はバッテリーで使っているのに。
孝輔は、それを手に持ったまま、スイッチを入れた。
「テストって一体どんなのでしょう?」
何だか声をひそめなければいけない気がして、サヤは小さな声になっていた。
彼の横顔は、そのディスプレイに向かったまま。
起動するや、男の指では打ちにくそうなキーボードを器用に叩く。
「フライフィッシング」
淀みない指の隙間から、横文字がこぼれおちる。
フライ?
フィッシング?
頭に一瞬、魚の揚げ物が浮かぶ。
でも、それは完全なる間違いだ。
釣り?
孝輔は、グレムリンを魚のように釣り上げようとしているのか。
「さぁ…こい」
釣り人というより、狩人みたいな目だ。
最後のキーを一つ強く叩いて、孝輔は唇をなめた。
サヤのほうが、そのスピードについていけずに、ほけーっと見ているしか出来ない。
彼は、車から携帯端末を持ち込んでいた。
いつも使う、それじゃない。
別のものだ。
機械に詳しくないサヤでも、色が違えば違うものだと分かる。
孝輔は従業員に何か説明をするや、壁のコンセントを確保した。
あれ?
いつもとは違うことだらけだ。
いつもと違う端末。
いつもと違う有線状態。
小型端末なら、普通はバッテリーで使っているのに。
孝輔は、それを手に持ったまま、スイッチを入れた。
「テストって一体どんなのでしょう?」
何だか声をひそめなければいけない気がして、サヤは小さな声になっていた。
彼の横顔は、そのディスプレイに向かったまま。
起動するや、男の指では打ちにくそうなキーボードを器用に叩く。
「フライフィッシング」
淀みない指の隙間から、横文字がこぼれおちる。
フライ?
フィッシング?
頭に一瞬、魚の揚げ物が浮かぶ。
でも、それは完全なる間違いだ。
釣り?
孝輔は、グレムリンを魚のように釣り上げようとしているのか。
「さぁ…こい」
釣り人というより、狩人みたいな目だ。
最後のキーを一つ強く叩いて、孝輔は唇をなめた。