毎日がカレー曜日2
いたずら精霊の大体の場所を教えるだけなら、簡単なもの。
るるん♪
そう。
簡単な。
かんた──あれ?
1階ずつ上がっていくに従って、サヤは表情を曇らせていった。
だんだん自信がなくなってきたのだ。
日曜日に、確かに感じたはずのそれが、どこにもない。
6階。
もしかして、あの精霊はもう飽きてどこかに行ってしまったのだろうか。
そう、サヤが不安に思いかけた時。
「来た!」
視界が、突然薄暗くなったことに、いち早く反応したのは直樹。
声が、ぴりっと空気を震わせる。
お待ちかねの停電だ。
そこにいる3人とも、緊張した一瞬だった。
笑い声を感じたのは、サヤ。
「いました!」
声の方を振り返ると、通路の奥の方に、白くぼんやりした影が見えるではないか。
あれに違いない。
はっきりとした気配も、彼女に届いていた。
「そのまま、まっすぐ…右から3番目のコンピュータの上です!」
「了解!」
サヤの言葉に、直樹はネクタイを翻して走りだす。
すぐ後を、孝輔が追った。