真理子の人生
「真」
私の名前は真理子という。

十八歳の頭の悪い男と十七歳の女の間にできた子どもだ。

父は男の子がほしかったらしい。生まれた子どもが女の子とわかって、出産直後の母を毎日殴っていたそうである。

私の名前はこんな父がつけた。

なんと最初「まん○」と名付けようとしたらしい。

本当かどうか知らないが、「まん○」はあんまりなので「まりこ」になった。

父の思い出はない。物心がついたときは母一人、子一人だった。

母も父と別れてからは一度も会っていないらしい。

私にとっては、どうでもいい。
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