真理子の人生
私の家は二階建てであり、一階がスナックで二階に母と二人で住んでいた。

母は死んだ祖母がやっていたスナックを引き継ぎ、毎晩働いていた。

場所は京都の祇園近辺である。造りは古いが、それがかえって京都の町並みにあっていた。

ママである母とボーイの男、そして毎日入っている綺麗な紗弥加(さやか)さん、バイトの絵美ちゃん久美ちゃんの五人で切り盛りしている明るく楽しい店だった。

友達がいない私はこの五人が大好きだった。

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