真理子の人生
母がやり手で結構忙しい店だった。

スナック『ホイホイ』。

人手が足りなくて、私は中学生になったとたんこのスナックで働くようになった。

月曜日から土曜日の夜中一時まで手伝った。

まわりから見れば働かされている少女だったと思うが、働くのは嫌ではなかった。

酒をつくって、歌を唄う。それだけだが、お客様にもかわいがってもらい、店の売上に貢献した。

私がスナックで働いてることは学校のみんなが知っていた。

みんなは私のことを変に思ってたんだろうが、私もみんなのことを子どもだと思っていた。


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