真理子の人生
私に焼香の順番がまわってきた。

目の前に寝ているのが、私の兄かもしれぬ。

そう思うと涙が出てきた。

もう、怒りは消えていた。

彼の横で滝川の両親も泣いていた。

私はすぐに家に帰った。

誰もいないところで、静かに整理をしたかったのだ。


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