言葉にしなきゃ伝わらない。


ぽつり..言葉が口から出た。


何年も前は出来なかったのに、今更ながら...努力したなぁって自分を褒める。

でも、すべて紅華のお陰だけど。




ゆっくりと...ゆっくりと....



「―――陽・・向・・・優・・・・心・・・。」


掠れた声だったけど、きっと届いてるはず。



私の声を聞いた皆は、私から前の人へと視線を動かした。



「・・・・・って、どうだ?合ってる・・・か?」


オドオドしながら、転校生に聞く先生。




そして、そっと口を開いた―――転校生。


「――――合ってる。」



低く甘い...あの、声で。



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