言葉にしなきゃ伝わらない。
その笑顔は永遠ではない
美月side
「はぁーい!!ちょっと静かにしなさいよ!!」
ガヤガヤと騒がしい、どこにでもある教室風景
月見祭の準備をするために長々と時間を取っているのだが、やはりトークタイムへと変わってしまっている。
教卓に手を置きながら怒りモードの委員長の言葉を無視して、例になく私達も喋っていた。
「んじゃあさ、名前で呼び合おうよ!!」
話は進んで、どうやら夏乃は優心を気に入ったようだった。
キラキラの瞳を輝かせながら笑っている。
「おぉ、そうするか。って、まだ自己紹介してなかったっけ?」
「別に、かまへんよ~。さっきオレは自己紹介したけどな、もう一回しとこか?」
「・・・そうしよっか」
段々と会話が広がっていくのをほほえましそうに見る私。
どこか“お母さん”みたいだなって
「ついでにね、この学院の事も詳しく教えとくわっ」
「夏乃に任せて大丈夫かー?」
「ちょ・・・和馬ぁぁ!!!怒るよ?」
不敵な笑みを和馬に向け、拳をぎゅっと握った。
あははっ....今度は本当に怒らせちゃったかも
「そっ..それじゃあ、まずは俺からな。清水和馬、部活は一応、弓道部の部長やってます。」
「えっ――弓道やってるん!?」
「あぁ、一応・・・な」
あははっと軽く笑いながら一礼をした。
「よろしく、次は夏乃」
夏乃の荒ぶった感情を押さえつつ、話をふった。